千と千尋の神隠し 宮崎駿監督の傑作を見る

温泉街

千と千尋の神隠しを取り上げます。日本興行収入第1位を記録した名作です。

物語のあらすじ

10歳の少女千尋が家族で引越し先に行く途中、道に迷い、不思議なトンネルの中に立ち入ります。

トンネルから出た先は神々が集う異界の世界でした。両親は飲食店街で、異界の食べ物を食べてしまい、2匹の豚に姿を変えたのでした。千尋は両親の姿を見てショックを受けます。両親のもとから逃げるように油屋という湯屋に入り込みます。

湯屋に行く中に出会ったハクに勇気づけられながら湯屋の主人である湯婆婆に湯屋で働かせて欲しいと願い出ます。

湯婆婆は契約として千尋の名前を奪い、千と名付けます。ハクは本当の名前を忘れると現実世界に戻れなくなると忠告します。

千は湯屋ではこきつかわれます。異臭を放つヘドロのような客の対応をする様に言われて、湯船に入り込んだ客に上等の湯を流したところ、ヘドロの客は神様に変化します。千尋はその客から不思議な団子をもらいます。

ハクは湯婆婆の命令で双子の姉 銭婆の契約印を盗み出させますが、銭婆の魔法でハクを追ってきた銭婆の分身がハクを痛めつけます。
ハクは苦しみながら釜爺のところでのびてしまいます。

ハクを助けるため、ハクに神さまからもらった団子を食べさせるとハクは黒い異物を吐き出します。

千がカオナシを湯屋に入れてしまったことからカオナシが千を探して、湯屋内を歩き回ります。
カオナシの手から砂金があふれでます。従業員達は砂金欲しさにカオナシを接待するのです。

カオナシは出された豪華な食事を飲み込み、従業員までも飲み込んでしまいます。

カオナシは食べ物や砂金を千に与えようとしますが、千はこばみます。
カオナシは千を追う中で食べたものを吐き出し、元のカオナシに戻っていきました。

千はハクを助けるため、銭婆に会いに行くことにします。ネズミ変えられた坊たちをとカオナシを連れて不思議な霊界電車に乗って銭婆の家まで来て銭婆に会います。ハクは銭婆のところまで千尋を迎えに行きます。

銭婆はハクを許し、千尋はハクに乗って湯屋に帰ります。カオナシは銭婆のところで暮らすことになりました。

帰る途中、千尋は小さい頃川で溺れかかったことを思い出します。そのとき、ハクは自分の名前がその川の守神の名前であることを思い出します。

湯屋に戻ったハクは湯婆婆に千尋と両親を現実世界に戻すように言います。湯婆婆は湯屋の前に並べた豚の中から両親を探すように難題を申し付けます。
千尋はその中に両親はいないと言い当てます。

両親と千尋は現実世界に戻っていきます。決して振り返らないようにという約束を守り現実世界に戻っていきます。

最後に

これが大まかなストーリーですが、一人の少女が最初は怠け者で弱虫な少女だったものが周囲の人たちの支えによって人間的に成長していく過程を素晴らしい映像で描いた物語になっています。

名前を失うことの重大さと名前を取り戻して一人の少女として成長していく。また描かれる神々の様子が実にユーモラスで人間的な神が描かれています。

カオナシという弱者が、金を振りまくことで尊大になり、千尋にたしなめられて元に戻っていくという姿も身近にある人にどこか似ているなあと思ってしまいます。

異界の世界に入り込み、異界の中で名前を失い、奴隷的な扱いの中で自分に目覚め、謎解きを見事に解決して異界の世界から抜け出すことで、成長していく少女を描いたのでしょう。細かなところではいろいろな解釈ができる話になっています。解説本も出ていますので一読されてはいかがでしょうか。

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